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*ALE(エール)マガジン*   No.110 2006.3.20(Mon)

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■■■  INDEX  ■■■
【1】苅宿俊文の「先生のための新リベラルアーツシリーズ」(13)
    冬来たりなば、春遠からじ。若手教師の一年間を振り返る(その2)
【2】ALE-Netの使い方;たのしさ工房;教師の生きる力(授業編);
    「5時間目 今年度を振り返って」
【3】情報コーディネーターの処方箋―情報教育担当の先生へ―
    ケース22:終わりに〜情報教育が「当たり前」の時代を迎えて〜
【4】ALE-Netからのお知らせ
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■1 ■ 苅宿俊文の「先生のための新リベラルアーツシリーズ」(13)
■  ■ 冬来たりなば、春遠からじ。若手教師の一年間を振り返る(その2)
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 先回は、若い先生方の一年間の活動を振り返り、教育力は30歳までに完成
するというのは誤解であること、子どもたちのために何でもやってあげたいと
いう気持ちが、かえって子どもたちに必要なものを見えなくさせることがある
ことについて書かせていただきました。

 今回は、学校という共同体に先生がどう参加していくのかについて書かせて
いただきます。共同体(=コミュニティ)として、学校はどんな役割や意味を
もっているのか再確認しながら、話を進めていきたいと思います。

 学校はコミュニティです。そこには、子どもたちがいて、先生がいて、職員
がいます。それぞれに自分の役割があり、お互いが欠くことのできない存在と
してかかわり合いながら、学校という機能を作っています。

 学校は、もちろん子どものための教育機関ですが、じっくり考えてみると、
それだけではありません。学校は、先生にとっての働く場であり、同時に学ぶ
場でもあります。すなわち、先生が、先生としての自分の力量を上げていくた
めの場でもあるのです。

 働く場としての学校は、制度によって仕事が明文化されており、それぞれの
役割もはっきりしているので、先生同士がお互いの仕事を共通理解することが
できます。

 しかし、学ぶ場としての学校は、明文化されているわけでもなく、学ぶ場と
しての学校を、先生同士が共通理解しているわけでもありません。

 この曖昧な、学ぶ場としての学校を、確かなものとして成立させていくため
に必要なのが、先生同士のつながり(=共同体意識)です。つまり、先生方の
間で、お互いに「先生にとっての学ぶ場」を作っていこうという意志をもつこ
とで、学ぶ場としての学校が生まれてくるのです。

 したがってと、学びの場としての学校という共同体に参加するためには、参
加しようという主体的な意志が必要であり、自分がどう参加していくのかを考
え、決断することが不可欠になります。

 ここまでの説明でも十分に理解していただけると思いますが、改めて書くと、
次のようになります。

 学校という共同体は、与えられた仕事のノルマを果たしていく場としてとら
えることもできれば、自分がよりよい存在になっていくための学ぶ場ととらえ
ることもできます。学校という共同体を学ぶ場とするとき、学ぶべきもののほ
とんどは、共同体にいる人とのつながりの中にあります。若い先生方は、この
ことに気づき、学ぶ場としての共同体を作っていく主体者の一人になる決意を
することが必要です。
  つまり、同じ学校にいる先生方と、初めは数人でもいいから、授業を振り返
り、よりよい実践ができるようにお互いに育て合っていこうというグループ
(=共同体)を作り、そこに参加していこう(=貢献していこう)という気持
ちをもつことが、今、先生方に最も必要な意識改革なのです。

 やがて中堅の立場になる若い先生方には、ぜひ、自分の学校を学びの場にし
ていくための中核的な存在になってもらいたいと願っています。

 「苅宿俊文の『先生のための新リベラルアーツシリーズ』」は今号で終わり
です。次号からは、日本各地で行なわれている教育改革について考える新しい
シリーズが始まります。ご期待ください。

                              (終わり)

 
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■2 ■ ALE-Netの使い方;たのしさ工房;教師の生きる力(授業編);
■  ■ 「5時間目 今年度を振り返って」
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 たのしさ工房に新しいコンテンツ「5時間目 今年度を振り返って」が追加
されました。

▼ たのしさ工房トップページ
  http://www.ale-net.com/tanoshisa/2005/index.html

▽ 「5時間目 今年度を振り返って」
  http://www.ale-net.com/tanoshisa/2005/05/lookbk.html
  シンマイ先生とベテラン先生が今年度の「たのしさ工房」を振り返ります。シ
ンマイ先生の言葉からは、この1年間での成長の証が読み取れます。

 今年度のたのしさ工房は、これで終わりです。来年度は、新しい情報技術を生
かした授業実践を、シンマイ先生、ベテラン先生とともに見ていきたいと思いま
す。どうぞ、お楽しみに。

 

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■3 ■ 情報コーディネーターの処方箋―情報教育担当の先生へ―
■  ■ ケース22:終わりに〜情報教育が「当たり前」の時代を迎えて〜
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 「情報コーディネーターの処方箋」シリーズでは、およそ2年間、22回にわ
たって、情報教育担当の先生方に、情報教育に関するさまざまな情報をお届けし
てきました。情報教育をめぐる状況は、非常に目まぐるしく変化しています。今
回は、このシリーズの最終回として、学校をめぐる情報機器の状況を10年前と
5年前、そして現在で比較しながら、情報教育担当の先生にこれまで求められて
きたこと、現在求められていること、そして、これから何が求められるようにな
っていくのかを考えてみたいと思います。

 まずは、10年前を振り返ってみましょう。
  10年前の1995年ごろには、パソコンはまだまだ珍しい存在でした。しか
し、1995年11月23日に、パソコンの普及を促進させる大きな出来事が起
こりました。マイクロソフト社が、新しいOS、Windows95の日本語版を販売開始し
たのです。深夜に販売を開始したにもかかわらず、パソコンショップの前に人が
詰めかけ、先を争って購入する様子がマスコミでも報道されたので、覚えている
方もいらっしゃると思います。この、Windows95の発売をきっかけとして、パソコ
ンの普及にはずみがついたと言われています。
  実際、1996年7月には、これを追うように第十五期中教審の答申が出され、
情報化に適切に対応した教育の充実を図ることが提言されています。
  しかし、学校へのコンピュータの普及は依然として進んでおらず、小学校を例
に取ると、96年度末の時点で学校に1台もコンピュータがない(教職員用、児
童用のどちらもない)学校が9.3%あり、コンピュータを所有する学校におい
ても、1校あたりの平均設置数は8.5台と、コンピュータを用いた授業を行う
には程遠い状況でした。また、インターネットはようやく普及が始まったばかり
で、学校で利用されることはほとんど考えられていませんでした。

 しかし、5年後の2000年には、この状況は大きく変わりました。この時点
では既に、コンピュータがない学校は存在せず、教育用コンピュータ、すなわち、
児童が使えるコンピュータがあるかないか、ということのみが問題にされるよう
になっていました。これはすなわち、コンピュータが学校にあることは当たり前
で、児童が使えるコンピュータが何台あるか、ということに問題の焦点が移って
きたことを意味しています。
  そして、2000年度末の時点では、小学校1校あたりのコンピュータ平均設
置台数は16.1台と、96年度末のほぼ2倍に増加しています。また、インタ
ーネットの接続についても、このころから飛躍的に増大します。2000年度末
のインターネット接続率は、前年度末の48.7%から、一気に75.8%にま
で伸びています。

 さて、2005年度9月のデータを見てみましょう。小学校1校あたりのコン
ピュータ設置台数は32.7台と、2000年度末のさらに2倍になっています。
すなわち、設置台数については5年ごとにおよそ2倍ずつに増えているわけです。
また、インターネットの接続は99.9%で、さらに、400kbps以上のインタ
ーネット接続が可能な学校が81%に上ります。

 こうして見てくると、学校をめぐる情報機器の状況は、短い期間で大きく変わ
ってきたことがよくわかります。そして、この変化に伴って、情報教育担当の先
生に求められることも大きく変わってきました。
  学校でのコンピュータの有無が問題となっていた10年前には、まずは自分が
コンピュータを使えることが求められました。
  しかし、ほぼ全校にコンピュータが行き渡った5年前には、コンピュータを使
って指導することが求められるようになり、また、場合によってはインターネッ
トを活用した指導を行うことも求められるようになりました。
  そして現在、コンピュータを使って指導したり、インターネットを活用したり
することは、ほぼ当たり前のこととなりました。
  さらに、インターネットが家庭でも広く使われるようになったことによって、
授業において活用するだけではなく、インターネットにおける学校の「顔」とな
るホームページを作成したり、学校のネットワークに外部からウイルスが侵入し
たり、不正にアクセスされるのを防いだりすることもまた求められるようになっ
ています。

 さて、それでは5年後、10年後には、情報教育担当の先生は何を求められる
ようになるのでしょうか。実のところ、それを予測するのは非常に難しいことで
す。それは、学校をめぐる情報機器の状況がどうなっているのかを予測すること
についても同様です。実際のところ、10年前にインターネットがこれほど授業
で使われるようになると予測できた人はどれほどいたでしょう。
  そうだとすると、情報教育担当の先生は、これからのことについてどのように
考えていけばよいのでしょうか。
  一つだけ言えることがあります。それは、常にアンテナを広げて、新しい情報
を手に入れられるようにしておけばよい、ということです。新しい情報技術は、
ある日突然現れるものではありません。アンテナを広げておけば、現在どのよう
な技術が研究・開発されているのか、それがどのように利用されようとしている
のかという情報が集まってくるはずです。
  もちろん、それらの技術をすべて教育で使えというわけではありません。しか
し、その中には教育に大きな影響を与える可能性のあるものもあるかもしれませ
ん。これを判断するのはなかなか難しいことですが、こうした判断を下すために
も広く情報を集めることが肝心なのです。
  情報教育担当の先生には、アンテナを大きく広げて、これからの情報教育がど
うなっていくのか、見通していただきたいと願っています。

※ この文章で参考にしたデータは、以下のページで見ることができます。
体系的な情報教育の実施に向けて(文部科学省のページ)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/09/10/971005.htm
小・中・高校教育に関すること(情報化への対応)(文部科学省のページ)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/main18_a2.htm

 「情報コーディネーターの処方箋―情報教育担当の先生へ―」は、今号で終わり
です。次号からは、新たな情報技術を紹介し、その教育への利用について考える新
しいシリーズがスタートします。ご期待ください。

                               (終わり)

 
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■4 ■ ALE-Netからのお知らせ
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▽▼ おわびと訂正 ▼▽
  先月配信したNo.109の発行年が誤っておりました。おわびして訂正いたします。
[誤]2005.2.20(月) ⇒ [正]2006.2.20(月)

▽▼ ALE-Net更新情報 ▼▽
  ALE-Netを更新いたしました。ぜひご覧ください。

▼たのしさ工房;「5時間目 今年度を振り返って」
  http://www.ale-net.com/tanoshisa/2005/05/lookbk.htm

 
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「ALE(エール)マガジン」 No.110 2006.3.20(月)発行
発行者 ALE研究会
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