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*ALE(エール)マガジン*   No.114 2006.7.24(Mon)

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■■■  INDEX  ■■■
【1】苅宿俊文の「教育改革を見通す」(4)
    市区町村での教員任用 −「杉並師範塾」
【2】ALE-Netの使い方;社会のひきだし;
    「今に続く室町文化」
【3】教育とデジタル技術(4)
    ゲームで学ぶ? シリアスゲームの試み
【4】ALE-Netからのお知らせ
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■1 ■ 苅宿俊文の「教育改革を見通す」(4)
■  ■ 市区町村での教員任用 −「杉並師範塾」
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 現在、全国で進行している教育改革の傾向を見ると、一つの大きな特徴を見
いだすことができます。それは、市区町村教育委員会の活発な動きです。今回
は、その事例の一つとして、「市区町村レベルでの教員の任用」の状況をレポ
ートしてみたいと思います。

 公立小中学校の教員の任用は、これまで都道府県の教育委員会が行っていま
した。これに対し、2003年から教育特区として市区町村費教職員任用事業が始
まり、現在では京都市などをはじめ、全国で約20弱の自治体が実施しています。
  一方、義務教育の実施主体である市区町村に人事権を移して、地域に根ざし
た教員という意識を向上させることが必要だという議論が中教審義務教育特別
部会で行われており、2005年には、教育特区に指定されなくても、市区町村で
教員の任用ができるようになりました。そこには、任命権と共に給与負担がセ
ットされているため、すべての市区町村がすぐに対応できるわけではありませ
んが、全国で徐々にいろいろな動きが始まっています。

 今回は、東京都杉並区での「杉並師範塾」と、その卒業生の任用について紹
介していきます。

 「杉並師範塾」は、市区町村で教員が任用できることになったことを受けて、
2006年度からスタートした事業であり、非常に注目を集めています。そこには、
「徹底した現場主義」、「指導教官制によるサポート」、「自主的なカリキュ
ラム作成」、「豊富な情報入手力」の四つの特徴があります。
  具体的なカリキュラムは、月3回の講義、毎週の演習、年間30時間以上の
特別教育実習、合宿・体験の四つで構成されており、講義は、大学4年生でも
通塾できるように、土・日を中心に組まれています。大学での教員養成教育と
は異なり、ここではより意欲的な態度が求められる一方、現場教員からの指導
によって授業のポイントが習得できます。
  また、「教師は、子どもの『学ぶ意欲』を引き出す。学ぶ意欲は生きる意欲
である。」に始まる教師心得(五則)を挙げて、卓越した指導力をもった、人
間力豊かな教師を輩出することをめざしています。そして、一年間の塾での学
習を終えると、杉並区の公立小学校で任用されます。
  「杉並師範塾」の募集は、教員免許状をもっていること(見込みも含む)と、
昭和38年4月2日以降の出生(2007年度募集要項より)という二つの条件のみ
で、年間30名の募集があります。
  ただ、ここで気になるのは、山田宏杉並区長のメッセージです。メッセージ
には、「日本の教育のたて直しのために、区民の皆さんはもとより、全国の心
ある方々からのご意見・ご提言もあおいで『杉並師範塾(仮称)』を開校し、
日本の教育改革に一石を投じていきたいと思います。」(2004年11月11日)と
書かれています。区長の高い志はわかりますが、市区町村の教育が首長のマニ
フェストの一部になっていくことに対しては、私たちは十分な注意を払ってい
く必要があるのではないでしょうか。
  めざしている教師像が一年間でどれだけ育てられたのかは、今後、卒塾した
教員たちの活躍で見えてくることでしょう。楽しみにしたいものです。

                                (続く)

 
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■2 ■ ALE-Netの使い方;社会のひきだし;
■  ■ 「今に続く室町文化」
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 社会のひきだしに新しいコンテンツ、「今に続く室町文化」が追加されまし
たので、ご紹介します。

▼ 社会のひきだし;「今に続く室町文化」
  http://www.ale-net.com/hpcs/sha/muromachi/index.htm
  「今に続く室町文化」では、室町時代に花開き、現代に続くさまざまな文化
について調べることができるページを紹介しています。

▽ 「建物」
  http://www.ale-net.com/hpcs/sha/muromachi/link/bldg.htm
  「建物」では室町時代に建てられた代表的な建築について調べられるページ
を紹介しています。

▽ 「水墨画」
  http://www.ale-net.com/hpcs/sha/muromachi/link/ink_p.htm
  「水墨画」では、室町時代に活躍した絵師、雪舟について調べられるページ
を紹介しています。

▽「能・狂言」
  http://www.ale-net.com/hpcs/sha/muromachi/link/noh.htm
  「能・狂言」では、室町時代に発展した芸能、能と狂言について調べられる
ページを紹介しています。

▽「おとぎ話」
  http://www.ale-net.com/hpcs/sha/muromachi/link/story.htm
  「おとぎ話」では、室町時代から伝わるおとぎ話を挿絵入りで見られるペー
ジを紹介しています。

▽「茶の湯・生け花」
  http://www.ale-net.com/hpcs/sha/muromachi/link/tea_c.htm
  「茶の湯・生け花」では、室町時代に源流がある茶の湯や生け花について調
べられるページを紹介しています。

 現代に続く室町文化について、多面的に調べることができる「今に続く室町
文化」を、ぜひご活用ください。

 
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■3 ■ 教育とデジタル技術(4)
■  ■ ゲームで学ぶ? シリアスゲーム
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 「ゲーム」と「教育」というと、非常にかけ離れた印象を受けますが、最近
この二つの関係が非常に注目されています。

 教育を目的としたゲームのことを「シリアスゲーム」と言いますが、今年の
3月、ゲームメーカーの大手であるスクウェア・エニックスと学研が提携し、
この「シリアスゲーム」の開発を行っていくことを発表しました。
  この背景には、昨年アメリカでシリアスゲームの一つ、「FOODFORCE」が大き
な注目を受けたことがあります。「FOODFORCE」は、世界の食糧問題の解決を目
的とした国連の機関、WFP(国連世界食糧計画)が作成した、無料でダウンロー
ドすることができるゲームです。
  ゲームは、プレイヤーがWFPの食糧支援チームの一員となり、災害によって
食糧が不足している島を支援し、復興のために働くというストーリーになって
います。ゲームはいくつかのフェーズに分かれており、それを体験していくこ
とによって、プレイヤーは食糧支援とはどのようなものなのか、そこにどのよ
うな課題があるのかを学んでいくことができる、というわけです。
  このゲームは2005年4月に公開されて以来、12月までに300万ダウンロード
を達成しています。また、日本のゲーム会社コナミによって日本語版も作成さ
れており、やはり無料で公開されています。こちらも、既に25万ダウンロード
を達成しており、反響の大きさを表しています。

 一方、日本の政府系機関も、こういったゲームの力の大きさに目をつけ、さ
まざまな独自のゲームを提供しています。
  たとえば財務省では、「財務大臣になって予算を作ろう!」というゲームが
公開されています。これは、プレイヤーが財務大臣になったつもりで年金、医
療などの予算を調整し、財政の健全化を図るゲームです。予算を調整する中で、
プレイヤーはそれぞれの予算に関するさまざまな意見を見ることができます。
  また、外務省が企画し、国際協力推進協会が制作したゲームに、「国際緊急
援助隊医療チーム 派遣シミュレーションゲーム」があります。これは、プレ
イヤーが、海外で災害が起こったときに派遣される国際緊急援助隊医療チーム
の一員となり、さまざまな局面でどのような判断を下すかを決定していくゲー
ムです。その中で、プレイヤーは実際に医療チームが被災地で遭遇する多くの
問題を知ることができます。
  これらのゲームすべてに共通しているのは、日常的にはほとんど体験できな
いようなことをシミュレーションしているゲームだ、ということです。国際的
な食糧支援活動や国家予算案の作成、国際緊急援助医療活動などは、私たちが
日常的に体験する活動ではありませんが、いずれも非常に重要な意味をもって
いるものです。そして、これらの活動をシミュレーションすることで、大きな
問題への理解を深めることができるというわけです。

 シリアスゲームがもつ大きな力の一つは、このシミュレーションの力だと言
えるでしょう。シミュレーションの力によって、私たちは通常では体験できな
いことを体験できるわけです。
  しかし、教育場面でシミュレーションを使う場合に注意しなければいけない
のは、シミュレーションは決して現実を完全に再現しているわけではないとい
う点でしょう。そこでは、現実が単純化されていたり、現実にはない要素が加
えられている場合があります。
  したがって、シミュレーションを現実の体験の代替として捉え、それだけで
すべてを済まそうと考えるのは危険なことです。教育場面でシミュレーション
を使うときには、それが現実のどの部分を再現したものであるかをきちんと把
握し、それを通して何を伝えたいのかしっかりと考えてから使うべきだと思い
ます。
  これから、こういったシリアスゲームはどんどん増えていくことが予想され
ます。中には、質の悪いものも含まれているかもしれません。シリアスゲーム
のもつ大きな力を生かすためにも、ゲームの本質を見抜く目が必要になるので
はないでしょうか。

参考資料
プレスリリース「スクウェア・エニックスと学研、シリアスゲーム事業で業務
提携」(スクウェア・エニックスのページ)
http://www.square-enix.com/jp/company/j/news/2006/download/release_060322.pdf
暴力でなく人道支援競うゲーム、国連食糧計画が提供(ITmediaのページ)
http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0504/15/news019.html
食糧支援活動を学べるゲーム『Food Force』が人気(HOTWIRED JAPANのページ)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20060222206.html
FOODFORCE(日本語版)(コナミのページ)
http://www.foodforce.konami.jp/
財務大臣になって予算を作ろう!(財務省のページ)
http://www.mof.go.jp/zaisei/game.html
国際緊急援助隊医療チーム 派遣シミュレーションゲーム(国際協力推進協会のページ)
http://www.apic.or.jp/plaza/resque1/
                               (続く)


 
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■4 ■ ALE-Netからのお知らせ
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▽▼ ALE-Net更新情報 ▼▽
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