| 今回は、企業CSR(社会貢献事業)の一環として学校にかかわった経験の
ある方にお話を伺いました。
−会社の概要を教えてください。
外資系のIT企業に勤めています。ソフトウェアやハードウェアの研究・開
発 ・製造・販売や企業のシステム構築など、さまざまな事業を行っています。
−会社の中では、どのようなお仕事をされていますか?
SE(システムエンジニア)として企業にシステムを導入したり、営業やマ
ーケティング、インストラクターをしたりなど、業務内容は多岐にわたります。
今回ご紹介するのは、CSRに携わっていたときに、企画から実施・広報など
すべてを手がけた愛着あるプロジェクトです。
−プロジェクトの概要と、それを始めることになった経緯を教えてください。
「過疎地小規模校教育支援」といって、過疎化が進んでいる地域の小規模な
学校にIT機器を提供し、教育に活用してもらおうというプロジェクトです。
統計や資料などを調べてみると、それらの地域ではIT機器の教育利用があま
り進んでいないことがわかりました。それは、情報教育の研究指定校ではない、
ごく普通の学校でのIT機器を利用した実践モデルが少ないことが原因ではな
いかと考えました。そこで、IT機器に不慣れな先生方でも、教室での日常的
な実践においてIT機器を活用できるようになってほしい、ということを考え
ました。
−対象として、特に過疎地小規模校を選んだ理由は何ですか?
情報化の進展が遅いということもあったのですが、ほかの理由もあります。
企業の学校へのかかわり方として、ただIT機器やシステムを学校に導入し
て終わり、というやり方が多いのですが、このプロジェクトでは、実際に先生
方に利用していただくことに重点を置きました。特に、初めからIT機器を積
極的に利用しようと思っている先生方だけではなく、抵抗感を感じているよう
な先生方にも利用していただきたかったので、きめ細かなサポートがしやすく、
また、学校をあげたプロジェクトにしやすい小規模な学校を対象にしようと決
めたわけです。
−実際にどのような形でプロジェクトを進められたのですか?
プロジェクトには、3つの段階がありました。
最初の段階は、IT機器を導入して、先生方に使い方を伝える段階です。先
ほども話しましたが、先生方の中には、IT機器の利用に抵抗感をもつ方もい
らっしゃいました。そこで、まずは先生方の研修を行って、機器がどのように
使えるのかを理解していただきました。また、それと並行して、先生方をサポ
ートする体制も整えました。機器の利用についてわからないことや、困ったこ
とがあったら相談できるシステムを作り、先生方が安心して機器を利用できる
ようにしました。
次の段階は、子どもたちが利用する段階です。ここでは、教育の専門家を招
いて、先生方と一緒にIT機器の利用の方法を考えていただき、それを踏まえ
て実践を行い、何か問題があったらブラッシュアップしていくという進め方を
取りました。
最後の段階は、情報を発信し、交流していく段階です。これは、実践を進め
る中から出てきたことです。子どもたちは、IT機器を利用して、調べたこと
をまとめたりするようになると、せっかくまとめたのだからどこかに発表した
い、ということになりました。そこで、他の学校や東京にいる大学生などに発
表できるような体制を整えました。特に、大学生にはネット上で調べ物を進め
るうえで相談できる、助言者の役割も担ってもらいました。また、ネット上で
接するだけではなく、所々で直接会う機会も設けました。
お話はまだ続きますが、今回はここまでです。次回は、プロジェクトを進め
るうえで大変だったことや、学校の先生方に伝えたいメッセージなどを伺いま
す。
(続く)
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