そうだね。教室掲示って、ワンパターンだよね。わたしなんか、テレビで小学校の教室が映ると、掲示してある習字を見るだけで、何年生で何学期かわかってしまう。
さすがプロですね。でも、先生の勧める教室環境は、そんなワンパターンの掲示ではいけないんですよね。
まあ、そうだね。教室は四つの壁で囲まれているのが普通だけれども、それは巨大な掲示板なんだよ。そこで必要なのが、物語的掲示力だ。
いい質問だね。そこに、子どもの学習の履歴を掲示していくんだよ。
学習の履歴というのは、子どもの作品のことですか?
いや、作品だけでなく、いろいろな学習ができあがるまでのプロセスがわかるものだ。
学習途中のものを掲示するんですか?
そうだよ。
おもしろそうですが、それが子どもたちの役に立つんですか?
活用のしかた一つで、とても大きな役割を果たす。
どう活用するんですか?
子どもたちの学習活動は、見方を少し変えれば、すべてが作品づくりなんだよ。だから、学習のプロセスがわかれば、結果として完成した作品が、子どもたち自身にとって、とても納得できるものになるんだ。
国語や算数もですか?
そう。学習のプロセスは、自分がわかるようになるまでの物語なんだ。そして、子どもたちは、その「わかる物語」の作者だ。だから、教室の壁に、その物語のストーリーを掲示していくんだ。そのことを、物語的掲示力というんだよ。
その「わかる物語」には、国語編があったり、算数編があったりということですか…。でも、やっぱりそれがなんの役に立つのか、まだよくわかりません。
物語的な掲示をすると、子どもたちは、自分や友だちの学習のプロセスを作品として見ることができるんだ。その経験が役に立つんだよ。つまり、学習にはプロセスがあるということを、子どもたち自身が知ることになるんだ。これは、とても大きな意味がある。
うーん、よくわかりません。
そうか。では、言い方を変えようか。子どもたちが、自分のやる学習に見通しをもつことは大切だろう?
はい。それならわかります。
そのために役に立つのが、学習のプロセスの掲示なんだ、といったらわかるかな。
なるほど。子どもたちが、自分の学習してきたプロセスをわかっていれば、次の学習では、その段取りがわかっているから、もっと学びやすいということですね。教室に、学習のプロセスがわかるものがあれば、それを参考にして次の学習の段取りがわかる。
そう、その通りだ。
ありがとうございます。がんばるぞ、物語的掲示力。