子どもを飽きさせないことを目標に授業をしても、教師としての力はつかないよ。
でも、それは実際に授業をするときの大きな課題だと思いますが…。例えば、プレゼンテーションの授業がそうです。一人一人交代でプレゼンテーションをやらせても、だんだん聞いている子も飽きてくる様子だし、そうなると、話している子も、なんだか身が入らなくなる。
なるほど、なるほど。
そうだね。先生になる人は、学生時代、ほとんどプレゼンテーションなど知らずに来るからね。では、そのポイントを紹介するよ。
お願いします。
プレゼンテーションをうまくやるポイントは、五感に訴えることだよ。
五感って、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感ですか?
そうだ。
プレゼンテーションというと、パワーポイントで視覚に訴えながらやるものという印象が強いんですが。
いや、そればかりではないよ。でも、パワーポイントだって、工夫して使えば、視覚と聴覚の二つの感覚に訴えることができる。
本当ですか?
では、実際に見せてあげよう。まず、キーワードが出てくるページ。次に、写真だけのページ。これは視覚だね。そして、次のページは何も書いていないように見えるけれども…。実は、ページ上のボタンを押すと声が聞こえてくるんだ。
ふうん。声のページのときは、白紙というのがいいですね。だったら、触覚に訴えるにはどうすればいいんですか ?
そうだね。この箱を見てごらん。
何ですか? くじびきの箱みたいですね。上に丸い穴があって…。あっ、横がガラス張りになっていますね。
そう。これはテレビで見て、使えると思ったんだ。
わかった。中にカエルやヘビを入れて…。
ちがう、ちがう。そんなものは入れないよ。
でも、やり方はいっしょですよね。
まあ、そうなんだけれど。子どもたちはドキドキしながら、触った感触だけを頼りに、中に入っている物が何かを考えて言うんだ。触っただけでもちゃんと答えを言うから、感心するよ。
そして、味覚は食べて体験、嗅覚はかいで体験ということですね。
そう。でも、ここで忘れてはいけない大事なことがある。
なんですか、それは?
それは、なんのためにプレゼンテーションをするのかという目的を、きちんと考えるということだよ。プレゼンテーションの目的は、大きく分けると、「まとめる」ことと、「広げる」ことの二つに分けられる。
「まとめる」というのは、学習のまとめとしてプレゼンテーションをするという意味ですか?
そうだ。そのような場合には、全員がプレゼンテーションを見ることができるように、パワーポイントのようなプレゼンソフトと、プロジェクターを使って、共通理解を図るという方法がある。
「広げる」というのは?
子どもたちのイメージを広げるということだよ。特に、いくつかの感覚が同時に刺激されたり、あるいは、逆に一つだけの感覚を刺激されたりする経験は、子どもの心に鋭く残るから、ぜひやってみたいものだね。
例えば、どんな方法がありますか?
いくつかの感覚を同時に刺激するというのは、例えば、国語で「スイミー」を教えるときに、実際に磯にあるものを持ってきて、触ったり、においをかいだりという方法があるね。一つだけの感覚を刺激するというのは、さっき挙げた箱の話のように、それを見せないで触らせてみるという方法がある。
なるほど。そういえば、山に遠足に行ったとき、目を閉じて周りの音を聞いてみるということをやりましたが、子どもたちは、「いろいろな音が聞こえた!」とうれしそうに話してくれましたよ。
そうだね。それを教室でのプレゼンテーションのときにもやると、子どもたちをぐっとひきつけられるはずだよ。
そうか。五感プレゼンテーション力って、授業にめりはりをつける力なんですね。
その通り。
授業にめりはりがつけば、自然と子どもたちが飽きない授業になるということですか。わかりました。早速実践してみます!