もちろん、大きく関係するよ。
そうですよね。でも、なんだか実感がもてなくて…。毎日の仕事が忙しくて、なかなか考える余裕がないんです。
そうだね。学校の先生は、自分たちの仕事が忙しくて、社会の動きに疎くなってしまうことがある。
もちろんそのとおり。子どもの教育というのは、子どもたちのこれからを考えて取り組むことこそ大切なんだ。
それはわかります。でも、学校で教える内容って、これからそんなに変わっていくんでしょうか?
じゃあ、じっくりと話してあげよう。
はい、お願いします。
私たちが生まれ育った1950年から2000年までの50年間は、「20世紀型工業社会」といわれた時代だ。
はい、それは大学で習いました。大量生産、大量消費を前提として、生産性を向上させることを考えるのが基本ですよね。
でも、今わたしたちが教えている子どもたちが生き抜く社会は、「21世紀型情報社会」といわれているんだ。
違う時代なんですね。それはよくわかります。構造改革で、産業や社会がどんどん変わっていますからね。
そうだよ。だから、「21世紀型情報社会」を生きていく子どもたちに、「20世紀型工業社会」の教育を、そのまま持ち込んではいけないんだ。
えっ、だめなんですか? 社会が変わっても、大切なことというか、子どもが身につけなければならないことは、変わらないように思うのですが…。
今までやってきたことは、間違いではないよ。でも、社会が変わっていくわけだから、そこで求められる能力も、変わってくるのは当然だ。学校教育でも、新たに求められる能力を育成していかなければならない。
なるほど。では、これからの情報社会を生き抜くために求められる力って、どんな力なんですか?
そうだな。ひと言で言うと、「言われたことを黙ってやる子どもから、自分のやりたいことを説明できる子どもへ」かな。
うーん、それだけではちょっと難しいですね。
では、実際に例を挙げて説明しよう。これは、東京都の品川区教育委員会が出した、「品川区小中一貫教育要領」だ。今年4月からスタートするもので、ここには、新しい教科として、「市民科」というものが設けてある。「自己管理領域」「人間関係形成領域」「自治的活動領域」「文化創造領域」「将来設計領域」の五つの領域に分かれていて、15の能力が示されているんだ。
15の能力ですか。早速それを読んでみます。
読むだけではいけないよ。もちろん、これからの子どもたちがもつべき能力を考えるうえでは、これは大事な資料だと思う。でも、これを実施すれば、すべての学校の問題が解決するわけじゃあない。学校はそれぞれ異なった課題をもっているし、子どもたち一人一人だってそうだろう?
確かに、そうですね。
だから、これを読んだうえで、それぞれの先生が、これからの子どもたちがもつべき能力は何だろう、そして、自分が受け持っている子どもたちに何ができるんだろう、と考えることが必要なんだ。
そうですね。自分自身の授業観をもつことが大切なんですよね。
その通り、さあ、三学期もはりきっていこう!
はい、がんばります。