シンマイ先生

ベテラン先生
 
今回は、インターネットの利用について聞いてください。

インターネットか。最近では、どこの学校でも使えるコンピュータが増えたし、いろいろな使い方が考えられるようになったね。

 

そうなんですよ。うちの学校でも、コンピュータ室でインターネットが使える環境が整っています。そこで、社会科でインターネットを活用した授業を行ったんです。

なるほど。どんなことをしたのかな?

 
農業に関する単元の指導をしたときのことですが、子どもたちにもっと生産者の気持ちを知ってもらいたいと思って、インターネットで調べて資料を作ったんです。

すごいね。どんなものを作ったの?

 

パソコンに入っているので、お見せします。リンク集にしてあるんですよ。

どれどれ、どんなページがあるのかな?

 

例えば、教科書にはのってない農家の生の声(読谷村のページ)というページがあります。ここでは、紅いもを実際に育てている方のインタビューを見ることができます。

ページの名前がおもしろいね。

 

それから、こんなページもあります。とうのしょうの農業 生産者の声 -インタビュー-(東庄町のページ)。ここでは、長ネギの生産をしている方のインタビューが見られます。

ちょっと、じっくり見せて。

 

ここは、長ネギだけでなく、キャベツ、イチゴ、ダイコンなど、いろいろな農作物を生産している方のインタビューが見られるんですよ。

生産の過程も細かく説明されているし、このページだけでも授業がさらに拡がっていくきっかけになりそうだね。

 

授業が拡がるきっかけとしては、ほかにもいいページを見つけたんですよ。きのこのトレーサビリティ(福井県特用林産振興会のページ)というページなんですが、ここでは、消費者が、買ったしいたけを生産者までさかのぼれる「トレーサビリティシステム」を紹介しているんです。

これは、いいね。消費者が買う時点で、生産者のことがわかるというのはおもしろいね。

 

まだまだあるんですよ。Googleというインターネットの検索サービスで、「生産者の声」というキーワードを入れると、35,200件も出てくるんです(平成18年5月現在)。調べれば調べるほどいろいろな情報が出てきますね。

そうだね。インターネットには、新しい情報がどんどん蓄積されていくからね。

 

そうなんです。だから、子どもたちにも、どんどん新しい情報を見てもらおうと思っているんです。

そうやってたくさんの情報に触れさせるのもいいけれど、その前や後のことはちゃんと考えているかな?

 

前や後というのは、どういうことですか?

子どもたちが情報に触れる前に、何か話をして方向付けをしたり、調べたことを後でまとめるような活動をしたりしたかな?

 

いえ。このときは、最初から子どもたちに自由にパソコンを触らせていましたし、それだけで時間がいっぱいになってしまったので、これといったまとめもできませんでした。

それはちょっとまずいね。ただ資料を調べただけでは、学んだことにはならないよ。

 

なるほど、そうですよね…。

教師にとっての資料と、子どもにとっての資料とでは、資料に対する考え方を変えなければいけないんだ。

 

どういうことですか?

教師にとっての資料は、自分の授業を拡げていくためのものだから、いろいろなものに当たることが必要なのはわかるよね。授業では取り上げなかったとしても、多くの資料を見ていくことが、いい授業につながっていく。

 

それはよくわかります。

でも、子どもにとっての資料は、どうだろう。あまりたくさんあっても見切れないし、逆に情報がたくさんありすぎても、何を見ていいのかわからなくなることがあるんじゃないかな?

 

確かに、子どもたちの感想も、「いろいろなことがわかった」とか、「すごかった」というような、あいまいなものが多かったですね。

それは、子どもたちが資料ときちんと出会えていないからだよ。

 

資料と出会う、ですか?

例えば、さっきの「トレーサビリティシステム」の資料だけれども、どうしておもしろいと思ったのかな?

 

えっと、それは、生産者の側から消費者に対して、生産者の顔が見えるような取り組みをしているということがわかるからです。これまで、こういう仕組みはあまりなかったですからね。

そう、そこが大事なんだ。君は、一つの定まった視点から、今見ている資料と、自分が既に知っていることを結びつけて、この資料がどういう資料なのかを考えているだろう? それが、きちんと資料と出会うということだよ。

 

なるほど、わたしの場合には、子どもたちにもっと生産者の気持ちを知ってもらいたいという目的をはっきりと持って資料を見ているし、子どもたちよりも多くのことを知っているから、資料と出会うことができるんですね。

その通り。それに比べると、子どもたちは…。

 

そうですね、わたしほどはっきりと目的意識を持っているわけでもないし、知っていることもわたしより少ないので、資料と出会うのが難しいということですか。

そうだよ。

 

そうすると、資料を見せる前に、こちらから目的を与えたり、視点を与えたりすることが必要になってくる、ということですね。

さらに、資料を見た後に、与えた目的や視点に沿ってまとめてみる、ということも大事だね。

 

そうなると、どんどん時間が必要になってきますね。

そう、資料ときちんと出会うには時間がかかるんだ。だから、子どもに見せる資料は、数を多くするよりも、自分がその授業で伝えたいことに合わせて、絞っていく必要があるんだ。

 

わかりました。量よりも質、ということですね。次に授業をするときには、心がけてやってみます。

うん。がんばって。

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