シンマイ先生

ベテラン先生
 

最近デジタルカメラの使い方についていろいろ考えているのですが、聞いていただけますか?

ずいぶん、はりきっているね。

 

ええ。実は先日、教員の同期の集まりがあったんです。そのときに、実際にデジタルカメラを使ってみた事例をみんなで出し合ったんです。

それはよかったね。横のつながりがあると、お互いに刺激し合ったり、励まし合ったりできるからね。

 

そうなんです。それで、いろいろな事例が出たんですが、その中でも、特にわたしがおもしろいと思ったものを紹介したいと思います。

どんな事例かな。

 

今2年生を担任している先生の事例です。その先生はよくデジカメを使うそうなんですが、1年生の授業でアサガオを育てたときに、1週間に1回ずつ、アサガオと子どもを並べて、記念撮影をしたそうなんです。

なるほど、それはおもしろそうだね。

 

はい。アサガオがどんどん伸びていく様子が、自分たちの背の高さと比べてわかったり、子どもたちの服装や態度から、そのときの様子や出来事などが思い出せたりするので、あとで授業を振り返ったときに、クラスがとても盛り上がったそうです。

成長の記録を子どもたちと見ると、とても盛り上がるよね。それから、アサガオと子どもをいっしょに撮影したことで、子どもたちは、自分たちがアサガオを育てたんだという意識を強くもつことができたんじゃないかな。

 

ええ。それ以来、その先生のクラスでは、何かやるたびごとに記念撮影をしているそうです。

それはいいね。でも、それは全部印刷しているのかな?

 

いえ。印刷すると大変なので、写真を紙芝居のように順番に見られるパソコンのソフトを使って、子どもたちに見せているそうです。プロジェクタを使ってできるだけ大きく映して見せると、子どもたちはとても喜んで見るそうですよ。

なるほど、見る経験をみんなで共有するというのは大切なことだよね。

 

次に紹介するのは、わたしの実践です。

それは楽しみだ。ぜひ聞かせて。

 

わたしの実践は、授業の途中のふとした瞬間をデジタルカメラで撮っておくというものです。そして、子どもたちといっしょに、その授業を振り返ってみるんです。

そういえば、この前、授業が終わるくらいの時間に教室をのぞいたら、子どもたちといっしょに写真を見ながら話していたね。

 

ええ。わたしは最近、子どもたちが授業を振り返ってみることがとても大切だと強く感じています。すべての授業でやるわけにはいかないですが、できるだけ多くの機会に少しずつでも時間を取るようにしています。

そうだね。ちょっとでもいいから、形にこだわらないでやってみることは、授業作りではとても大切だよね。

 

ええ。撮るのは、45分の授業で3枚とか4枚くらいなんですが、写真を見ながら、この場面でみんながどのようなことをしていたかとか、わたしがこのときみんなにどのようなことを伝えたかったのかとかを話すようにしています。

なるほど。

 

これを続けているうちに、子どもたちは、自分たちがどのようなことをしていたかという問いにはあまり関心を示さなくなったのですが、わたしがどのようなことを伝えたかったかという話には、とても多くの子どもが関心を示してくれるようになりました。

それは、シンマイ先生と子どもたちの間で、一つの授業の仕組みが作り出されてきたということだね。

 

そうなんですか? わたしはただ、子どもたちには振り返りが大切だと思ったのと、デジタルカメラを使ったら、子どもが興味をもてるかな、と思ったことから始めただけなんですが。

シンマイ先生のデジタルカメラのとらえ方を反映した授業の内容に子どもたちがリアクションして一つの型が生まれてきたんだから、そういうことだよ。

 

なるほど。

もう一人の先生の事例もそうだけれども、先生たちが、それぞれのデジタルカメラのとらえ方に従って授業を作っているよね。こういったことの積み重ねが自分の授業観をもつことにつながっていくんだよ。

 

そうか。いろいろなものの見方の積み重ねで、自分の授業観ができていくということですね。ありがとうございました。同期のみんなにも伝えておきます。

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