シンマイ先生

ベテラン先生
 

今回は、わたしが先日試してみた、プロジェクタの使い方の工夫について聞いてください。

プロジェクタか。うちの学校には、学年に1台ずつあったね。

 

そうです。学校で1台というところもあるようですが、最近はどんどん増えているみたいですよ。

なるほど。昔はOHP、オーバーヘッドプロジェクタを使っていたものだけれど、最近ではすっかりプロジェクタが定着したね。

 

ええ。スライドにする必要もないし、文字や写真だけでなく映像も流すことができるので、可能性が広がったと思います。

そうだね。それで、どういう使い方をしたのかな?

 

はい。プロジェクタは、子どもたちが発表をするときに使うことが多いのですが、一つ問題があります。それは、説明しようとして子どもがスクリーンの前に立つと、プロジェクタの光をさえぎって、影を作ってしまうことです。

そうだね。特に、スクリーンを指しながら説明する場合はそうなるね。以前わたしが使ったときは、長い指示棒を作って使わせていたよ。

 

なるほど。それもありますけれども、わたしの工夫は違うんです。これをすると、スクリーンの前に立ってもまったく影ができなくなるんですよ。

えっ? そんな方法があるの?

 

はい。スクリーンの後ろからプロジェクタで投影する方法です。リアプロジェクションというのですが、二つの教室を合体させて作った多目的室や、体育館など奥行きのある場所で使うことができます。

うーん、ちょっとイメージがわかないな。もう少しくわしく説明してみて。

 

そうですね。まずはスクリーンですが、通常とは少し異なるものを使います。通常のスクリーンは裏が黒く加工されているのですが、リアプロジェクションでは、白く透過するスクリーンを使います。スクリーンでなくても、白っぽい色で、ある程度光が透けるものであれば、薄い無地のカーテンやシーツの布をピンと張って使っても大丈夫です。

なるほど。カーテンなら学校にあるものが使えそうだね。

 

そして、通常はスクリーンを教室の壁際に置きますが、この場合は壁からある程度離して置いて、プロジェクタを壁際に置きます。

スクリーンとプロジェクタの位置を、いつもと逆にするということだね。

 

ええ、そうです。

うーん。そうすると確かに裏から映せるし、前に立っても影はできないだろうけど、画面が左右反対になってしまうんじゃないかな。それじゃあ文字は読みにくいよね。

 

そこなんですが、最近のプロジェクタにはリアプロジェクションの機能が付いていて、後ろから映してもちゃんと見えるようにできるんですよ。

ほう、それは知らなかったなあ。そうすると、子どもたちはスクリーンの前に立って説明することができるね。

 

先日、わたしのクラスで使ってみたところ、大きく映し出された画面の前に立って説明できるのがとても楽しかった、と子どもたちが言っていました。

そんな経験はめったにできないからね。

 

そうですね。とても盛り上がりました。ただ、一つ困ったことがあったんです。

どんなことかな?

 

子どもたちが、スクリーンの後ろに入って、影を作って遊び始めてしまって……。それでは画面が見えないので、後ろには絶対入らないように注意しました。

なるほど、それは見方を変えると、また別の使い方のヒントになりそうだね。

 

どういうことですか?

例えば、スクリーンに映った映像と、子どもたちの影をやりとりすることが考えられるかな。映像でどこかの風景が映し出されて、その中を影になった子どもが歩いたりするとおもしろいね。

 

そうか、そういう考え方もできますね。

子どもたちにとっては、画面の中に入っていくような感覚が味わえて楽しめるし、影で入るから、みんなの前に出る恥ずかしさも軽くなるんじゃないかな。

 

なるほど。ただ子どもたちがふざけているととらえてやめさせるのではなくて、どうしてそれが楽しいのかを考えて、うまく授業に取り込んでいくというわけですね。

そうだね。子どもがどこにおもしろさを感じているのかをとらえる観察力と、どうしておもしろさを感じるのかをとらえる想像力が、授業を本当に豊かにしていくためには必要だね。

 

本当にそうですね。これから気をつけてみます。

もどる